サッカー 誰かに話したいちょっといい話

2018/01/03

いとうやまね コラム






概要

 サッカー専門新聞『エルゴラッソ』にて連載されていた、
『世界サッカーの風景』を加筆・修正して書籍化したもの。

各国のサポーターの日常風景や、
そのクラブのサポーターになったきっかけなどのエピソードが綴られている。


感想

 ヨーロッパに始まり、中南米やアフリカ、
そしてアジアと世界中のサポーターの話を聞いて回っていますが、
個人的にはアフリカのエピソードはどれも面白く、
オススメです。

特に、アウェイ遠征の際は、銃などの装備を用意して
野生動物から身を守りながらの、
“マジの意味で決死行”
な、ガーナ編は読み応え抜群です。

その他の地域も、クラブ愛の溢れたエピソードが多数収録されているので、
ちょっとあったかい気持ちになり方へ、ぜひ。

アルトコ! 〜あなたは誰かの、どんな『思い出の風景』になるか?〜


 本書に収録されているエピソードは
少年時代のものが多く、
「幼少期に受けた強く印象に残る体験は、その人の人格形成に大きく影響する」
ことがよくわかります。


 ここ最近のNACK5スタジアムですが、
まるで大人がするようなジェスチャーと言い回しで
選手に野次や罵声を浴びせる子どもを見かける機会が増えた気がします。

きっと、大人がそうやっているのを見聞きして
真似るようになったのだと思います。


 僕は、選手に対してのブーイングの一切を止めろ、
とは思いません。
プロサッカーの試合が、金銭の授受が発生する興行である以上、
選手と僕らファン、サポーターは、
『サービス提供者とその消費者』
という関係性から逃れられることはできません。

ですから、提供されたサービスに対して不満があれば
クレームとしてそれを訴えるのは消費者の権利であるとは思います。


しかし、相手を威圧するような態度で
人格まで否定するような言葉を選手にぶつけるのは、
それはクレームではなく、ただの脅迫、言葉の暴力です。
そしてそれは、決して子どもに見せ、覚えさせては良いものではありません。


「あなたのその振る舞いは将来、
誰かの『良い思い出の風景』として語り継いでもらえるものか?」

スタジアムで乱暴な振る舞いをする人たちにこそ、
この本を読んで考えてほしいです。

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