血を繋げる。 勝利の本質を知る、アントラーズの真髄

2018/01/03

Jリーグ 鹿島アントラーズ 鈴木満







概要


「鹿島アントラーズはなぜ勝負強いのか?」
「勝てる組織とは?」

常勝軍団を黎明期から選手として、
そして現在は常務取締役兼強化部長として支えてきた
鈴木満氏が語る。

感想

やっぱり最後は“人”になるのかなぁ


この本を読むと、
鹿島の強さは、個人から全体にまで行き届いた
ストイックさにあり、
そしてそれを生み出す根幹が、
所属選手やOB、そしてスタッフに対する
温かさにあることがわかります。

そして、その温かさ、
いわば“鹿島ファミリーとしての一体感”
を築き上げた鈴木氏もまた、
「編成3割、人間関係7割」
とチーム強化を表現するほどに、
選手にはもちろんの事、監督やコーチ、
そしてクラブに携わる全ての人々に対して
温かく、情に厚い人柄だということが読み取れます。

そういった、
“人”としての繋がりを大事にして
クラブを1つの方向に引っ張っていくあたりは、
湘南ベルマーレのチョウ・キジェ監督も
通じる部分があるかもしれません。

以前に紹介したチョウ監督の本。こちらもオススメ



「鹿島は勝利こそが唯一で、
その為ならダーティな手段も厭わない」

というイメージが、一部の人にはあるかもしれません。
実のところ、僕もそうでした。
ですが、この本を読めば

『鹿島は勝利“だけ”を尊重したクラブではないからこそ、
どのクラブよりも多くの勝利をつかんできた』

ということがわかると思います。
強豪クラブの空気に触れてみたい方へ、ぜひ。



アルトコ! 

“血”を濃くしていかなければ

この本の紹介を書く数時間前に、
伊藤彰監督と、
松本大樹強化部長の解任が発表されました。


伊藤監督と松本強化部長、
そして渋谷前監督。
皆それぞれが
「どうすればアルディージャはもっと強くなれるのか」
を考え、それに対して尽力してくれました。
ですが、
結果的に全員が望ましくない形で、
クラブと袂を分かってしまいました。


「どういう強さ、魅力をもったクラブにしたいのか」

という確固たるクラブアイデンティティをもち、
その為の方向性の共有、すり合わせができる人物が
アルディージャにも現れない限り、
いくらOBをトップチームの現場に登用しても、
今回と同様のことを繰り返す、

“クラブとしての血”は濃くなっていかない

のではないでしょうか。


じゃあ、サポ的には何ができるんだろう?


かといって、
鹿島の鈴木氏のような
クラブ全体に発信して、引っ張っていける人材が
突如としてクラブに現れるなんて、
それこそ奇跡的な出来事が、
突発的に起こるとも思えません。

となれば、
クラブが打ち出したサッカーのスタイルや、
取り組んだ事業に対しての反響を
地道に拾い上げて、
それらを反復・検証していくしかありません。

つまり、
僕らファン・サポーターがもっと明確に、

「良いと思ったものにはしっかり支持の声を送ってあげる」

ことで、
クラブの価値観の醸造・確立に貢献できるのではないでしょうか。


成績的にも苦しく、
今後どうなるか不安な時期だからこそ、
「クラブ側が何かやってくれる」
のをただ黙って待つだけでなく、
少しでもサポートになりそうなことを
してあげるべきではないでしょうか。

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