概要
「崩されての失点」「サッカーを知っている選手」
いつの間にかサッカーファンにとって公共の概念、公用語と化した概念。
いつの間にかサッカーファンにとって公共の概念、公用語と化した概念。
それらは果たして、
ピッチ上の選手と同じ認識で語られているのか?
ピッチ上の選手と同じ認識で語られているのか?
多様なカテゴリや国のクラブを渡り歩いた岩政大樹選手だからこそ綴りあげられた、
ピッチ上からの目線でサッカーの常識とされる事柄を考察した一冊。
ピッチ上からの目線でサッカーの常識とされる事柄を考察した一冊。
感想
この本の帯に
「「ピッチ目線」でサッカーの見方が180度変わる。」という煽り文がありました。
「「ピッチ目線」でサッカーの見方が180度変わる。」という煽り文がありました。
確かに、この本を読む前と後でサッカーの見方は大きく変わりましたが、
厳密に言えば、180度という、見る“位置”が変わったというよりは、
“目線の高さ”が変わった、という印象がありました。
厳密に言えば、180度という、見る“位置”が変わったというよりは、
“目線の高さ”が変わった、という印象がありました。
というのも、
この本はいわゆる、これまでに多くあった
現役サッカー選手によるプレー哲学や、
スポーツライターや解説者の戦術論をまとめた本のように、
この本はいわゆる、これまでに多くあった
現役サッカー選手によるプレー哲学や、
スポーツライターや解説者の戦術論をまとめた本のように、
「こういうプレーや戦術を採用すれば日本のサッカーはもっと良くなる」
といった提案や解説とは違い、
「そもそも、ピッチ上の選手とそれを外から見ている人たちは、
用語や事象を、本当の意味で同じように認識しているのだろうか?」
という、岩政選手が抱いた疑問からスタートしており、用語や事象を、本当の意味で同じように認識しているのだろうか?」
そしてその疑問に対して
「僕はこういう認識でこの言葉、事象をとらえていますが、
皆さんはどうでしょうか」
皆さんはどうでしょうか」
という、いわば“認識をすり合わせるため”の本になっています。
そしてその考察の内容はというと、
「これほどまでにピッチの中と外では認識に食い違いがあったのか!」
と驚かされることばかりです。
この本を特におすすめしたいのは、
若い頃にサッカー部だったとか
観戦してウン十年などの“ベテラン”ファン・サポーターの方です。
若い頃にサッカー部だったとか
観戦してウン十年などの“ベテラン”ファン・サポーターの方です。
きっと、サッカーが好きになって数年そこらの僕よりも、
「おぉっ!」と思わせられる、響くポイントが多くあるかと思いますので、オススメです。
「おぉっ!」と思わせられる、響くポイントが多くあるかと思いますので、オススメです。
評価のためには、まず理解を
そして、これはあくまでも僕個人の憶測ですが、
こういった考察をサッカー選手が書き上げた動機のひとつとして、
こういった考察をサッカー選手が書き上げた動機のひとつとして、
自分たちがどんな意図や価値観でプレーしているのかをファン・サポーターに理解してもらいたがっている
という決して小さくない欲求というか願いがあったからではないかと思います。
特にそれを考えさせられたのは、
本書の中の考察のひとつ、
「ブーイングやチャントについて」の中で岩政選手は
本書の中の考察のひとつ、
「ブーイングやチャントについて」の中で岩政選手は
「チャントや細かな声援は試合に集中していると聞こえない。
けれど、自分のプレーにスタジアムにいるお客さんがどう感じているかという“雰囲気”は常に感じられる。
良いプレーをして会場が肯定的な雰囲気を出してくれれば、
見てくれているんだ、と選手はなるし、テンションも上がる」
けれど、自分のプレーにスタジアムにいるお客さんがどう感じているかという“雰囲気”は常に感じられる。
良いプレーをして会場が肯定的な雰囲気を出してくれれば、
見てくれているんだ、と選手はなるし、テンションも上がる」
と、述べています。
プロリーグがこの国で始まってから二十年以上が過ぎ、
知識を集めるための材料となる書籍や試合の動画は、
昔に比べて手軽に、しかも山ほど手に入るようになりました。
しかし、その得た知識は果たして、
「正しく選手を評価するために使われているのか。
そしてその評価は正しく選手を導いているのか」
そしてその評価は正しく選手を導いているのか」
と問われれば、
本書のような“現場からの声”が上がってきている現状を考えると、
首を傾げざるをえません。
本書のような“現場からの声”が上がってきている現状を考えると、
首を傾げざるをえません。
本書を通じて今一度、
私たちファン・サポーターと選手は
同じ目線に立つこと、そして歩み寄ることが必要なのではないでしょうか。
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