概要
日韓W杯を目前に控えた当時、
著者であるクレイグ・マクギルが
「日本サッカーもいずれ、必ず直面するであろうこの問題の数々を忠告するため」
として、イングランドの事例を中心に
欧州で起こっている経済、政治、そして宗教や人種による差別にまつわるサッカー界の問題について書籍化したもの。
感想
出版から15年経った今でも古臭さを感じず、
当事者意識を持って読める内容。
そう思えるのも、
本書で挙げられている問題点に対して
欧州サッカー界では未だ解決の兆しを見ないばかりか
深刻化しているケースもあることや、
著者が懸念していた通り、
Jリーグですら同様の問題が顕在化してきている事が
関係しているのかもしれません。
本書に登場する各クラブのファン、サポーターはいずれも、
クラブや権利を持つ放映局などの強引な決定に対して、
適切な議論を交わすこともできず、
損害を被っています(チケットや視聴料の突然の値上げ等)。
ここまでは著者が懸念した通りの道を進んでしまっている
日本サッカーを、
これからどうすればより幸福にサポートしていけるのか。
それを考えるにあたって、
大いに参考となる1冊です。
アルトコ!(仮)
これからは
『大宮サポ的にこの本はどう思うよ?』的なことは
「アルトコ!」として書いてみようかな、と思います。
大宮アルディージャは、
これからまだまだ大きくなっていける可能性をもったクラブです。
ここ2、3年はチケットが取りにくくなってきていたり、
取れても座席の確保が難しかったり、
スタジアムで外国人を見かける機会が増えたりなど、
現地で観たことのある方はいずれかを体験した、
あるいは目撃した事があるのではないでしょうか。
もちろん、トップカテゴリーで長く通用するクラブになるためには今以上に資本を太く、規模を拡大させていく必要があるわけですが、
現場の盛り上がり方に対して、
クラブの運営対応は追いつけていない感がありますし、
それと、大宮のサポーターは親会社がしっかりしているせいなのか、数々の問題に対して、
「なんだかんだいってフロントや運営、親会社がなんとかしてくれる」
と思っている感が、個人的に否めません。
このままで本書通りの問題が起こった場合、
まず間違いなく対応しきれないのではないか。
そんな心配をしてしまいます。
いつかは残留争いではなく、
優勝を争うビッグクラブに。
本当にそれを実現するためには、
先ずクラブを支えていく僕らファン、サポーターが
当事者意識を持って、
問題点の想定や解決にあたっていかなくてはならないのではないでしょうか。
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