どこでも手軽、気軽にサッカー中継を見られる今だからこそ、
もっと面白く見れるようになるこの1冊をぜひ。
概要
「日本のサッカー中継には何故、解説者が必ずいるのか?その存在理由を考える」
というテーマで、
スポーツ中継のみならず
Twitterなどでも簡潔で的確な戦評をすることでお馴染みの河治良幸氏が、
『プレー解説・俯瞰解説・知識解説』など、
各タイプ別の名解説者に試合中に見ているポイントや、
ピッチ上から得た情報をどのように解釈し視聴者に伝えているのか、
をインタビュー形式で訊いたほか、
「地上波とNHK-BSでの解説の内容の違い」や、
「実況者は解説者のどんなところを意識してハナシを振っているのか?」など、
『サッカー解説そのもの』を多角的に捉えた分析本
感想
まず、河治氏が「気になっている点」の、数々に、「言われてみれば確かにそうだ。それは気になる!」
と引き込まれます。
そういった鋭角な視点から河治氏がズバズバと訊けば、
名解説者陣がサラッとそれに答える。
一連のやり取りは純粋な読み物としても楽しめます。
必ずお気に入りの観戦方が見つかるはず
「サッカーの、どこをどうを見ればいいかわからない」こんな意見を、サッカー観戦にハマる前の方や
通い始めて間もない方々からよく聞きます。
それに対して戦術本をおススメしてはみたけれど、
いまいちピンと来てもらえなかった。
サッカーファンにとってはよくある経験ではないでしょうか。
個人的な感覚ですが、
「どう見ればいいかわからない」
この言葉の真意は、
いわゆる、「「こいつ、出来る!」と思わせるような見方がわからない」
というよりは、
「どこを見れば、自分が一番楽しめる見方になるのかがわからない」
ではないかと思います。
もしそうだとしたら、
そんな悩みをもつ観戦初心者を救うのが、
本書ではないかと思います。
あらゆるタイプの解説者が登場し、十人十色の視点で、
「ピッチにはこんなにも色んな「何で?」が落ちているよ」
と教えてくれていますし、
そうして集めた「何で?」の噛み砕き方も分かりやすくレクチャーしてくれています。
ページ数も少なく、
複雑なフォーメーション図などもなくとっつきやすい構成ですので、
どんな戦術本もイマイチだった方への“入り”の1冊として、
いかがでしょうか。
アルトコ
この間の開幕戦に行った時に感じたのですが、今年のスタジアムにはお互いがもっと興味を覚えて、関わっていける。
そんな空間にしようという気概を感じます。そしてそれは、
クラブ運営側が仕掛けるイベントや場内演出に対してだけでなく、
試合を見る視点や姿勢も同じで、
お互いが積極的に声を上げていくべきだし、
それに反応を示しあえる空気を作っていければ、
と思います。
色んな意見や声援・反応が、
試合の中で遠慮なく自然に起こせる空気が出来ればそこにはいつか、
「これがアルディージャのサッカーなんだ」
と、多くの人が共有する価値観が出来上がるのではないでしょうか。
そしてその価値観を指針として
ピッチ上の選手に大きな反応をしてあげれば、
選手は何を頑張ればいいかに対して迷うことなく
こちらを熱くさせるプレーをもっと見せてくれるようになるのではないでしょうか。
まだそういった文化がない今のスタジアムはある意味、チャンスです。
今のうちに本書を読んでおけば、
未来のアルディージャの基礎を作り上げるのは、
あなたになるかもしれませんよ!
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