【書籍紹介】ゴールキーパー専門講座

2018/05/21

横浜F・マリノス 解説本 書籍紹介 松永成立

シリーズの中でも教科書っぽくて、好きな1冊です。


概要

「現役選手をワンランク上に、ファンの目は一流に鍛える。」をテーマとした、
東邦出版の『専門講座シリーズ』

ゴールキーパー編である本書は、横浜F・マリノスのGKコーチである松永成立氏を講師に迎え、
「GKというポジションの楽しさと、そのGKを見る楽しさ」を伝え本とするべく、
実際に選手に指導している内容を交えつつ、
松永氏が理想としているGK像を紹介している。

感想


色褪せることのない、体系化された理論と技術がこの一冊に


現在に至るまで、求められるスキルや役割が最も多様化、高度化したポジションであるGK。
今の時点で理想とされているGK像もいずれは陳腐化してしまうでしょうが、
求められる基礎技術などは不変のはずでしょうし、
それを分かりやすくまとめてくれたのが本書です。

サッカー経験者向けとして、効果的なトレーニング方法なども載せていますが、
「なぜこのフォームでキャッチ、あるいはブロックするのか」
「どうして CK時はこのような壁を作らせるのか」など、あらゆるプレーやゲームの局面に起こる
「なぜ」という疑問に答えることから始めているため、
未経験者でも入りやすい章立てとなっています。

GKという特殊なポジションを理解するためには、
わかりやすく、かつ要点をきちんと押さえた本書はピッタリのはずです。

GKを守るためにも


またこの本は、
現在も現場の最前線にいる指導者が書いた
という点に大きな価値があります。
それはつまり、
“現在の日本サッカー界で正とされているプレーや価値観”に触れられるという事であり、
それを知る事は、
どこまでがGKの責任となるのかを正しく判断できるようになり、

無闇やたらにGKを批判しなくなる。
ひいては、選手を守ってあげることにも繋がります。

本書でも松永氏は、
日本におけるGKの見られ方を以下のように分析しており、
その現状が本書を世に出すきっかけとなったようです。

「恐らく、得点(失点)の場面でGKがどうしてそのプレーを選んだのかと質問しても、はっきりと答えられる人はほとんどいないのではないだろうか。(中略)つまり、GKのことがいまひとつよくわからないけれどなんとなくGKのせいにしている、という人が多いのではないだろうか。」
本書内より引用

僕らファン、サポーターが試合後の1週間をどれだけ気分良く過ごせるか。
それを握っていると言っても過言ではないほど、大きなプレッシャーと戦っているGK。
少しでも後押ししたい、重責を和らげてあげたいと思う方へ。
ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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